人生の最期を自分自身で選択することや「楽に死にたい」「死なせてあげたい」という思いを尊重するか否かというのは、人間の生き死ににとって、とても難しい問題。

2017年11月、オーストラリアのビクトリア州で、安楽死を合法化する法案が可決されました。

2019年6月から施行予定のこの法案によって、他人が手助けする積極的な安楽死が認められることになります。

そんな中、オーストラリアのフィリップ・ニッツチク(Philip Nitschke)医師が代表を務める、自殺幇助推進組織「エグジット・インターナショナル(Exit International)」 により、自殺幇助マシーン「サルコ(Sarco)」が発表されました。

自殺幇助マシーン “サルコ(Sarco)” とは


Exit International

自殺幇助マシーン “サルコ(Sarco)” は、最先端技術を駆使して開発された 苦痛なく速やかに死ぬことができる「合理的な自殺」を約束するマシーン として発表されました。

手順としては、ちょうど人間が収まるサイズの半透明ポッドのマシーンに入り、ボタンを押すだけ。ポット内に液体窒素が充満して酸素濃度が5%ほど低下し、1分もたたないうちに利用者は意識を失います。利用者はほとんど苦しむことはなく、速やかに死ぬことができると説明がなされています。ポッドは棺として利用することも可能。

3Dプリンターでどこでも組み立てが可能

「エグジット・インターナショナル」のプレリリースには、”サルコ(Sarco)” は、3Dプリンターで印刷でき、どこでも組み立て可能な設計となっているとのこと。設計図は無料でインターネット上でオープンソース化されて公開されるため、手に入れやすさもウリとしています。

ただし利用できるのは、心の健康が証明された人に限るとしており、「メンタル質問票」に回答した結果、心の健康が証明されれば4桁のコードが発行され利用可能となります。これは、衝動的な「死」を選択するような人を考慮しての措置といえます。

死ぬ時期や方法を選ぶ権利

安楽死の問題は、世界中でも大きな課題の1つとなっています。今回安楽死が合法化されたビクトリア州以外でも、ベルギーやカナダ、コロンビア等で幇助自殺が合法化されており、ニッツチク医師自身も「70歳以上の人については法的に安楽死を認めるべきだ。人の人生はその人のもの、死もまた人生の一部であり、その決定は本人に委ねられるべきものでしょう」と主張しています。

他人の意思や倫理などによって自分の意思とは無関係に生かされ続けるのではなく、自身の死ぬ時期や方法を選ぶ権利への支持はこれから広まっていくのかもしれませんね。

Exit International

ニュース元:http://karapaia.com/archives/52250373.html

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