前回は、病院から葬儀前までの流れと注意すべき点の記事では、死体検案書(死亡診断書)を交付してもらい葬儀屋に連絡するところまでのお話をしました。⇒ 別記事:病院から葬儀前までの流れと注意すべき点

ここからは、家族や親の死亡後にやらなければならない様々な手続きを見ていきたいと思います。
手続きの期限があるものや、知っていないと損をするような手続きも何回かに分けて紹介していきたいと思います。

今回は、死亡届と埋火葬許可証の書き方やどこに誰が提出すればいいか等をまとめてみました。
死亡直後にやらなければならない手続きで、意外な落とし穴もあるので万が一の時にそなえてあらかじめ覚えておくと良いでしょう。

1. 死亡後すぐに死亡届と火葬許可証の手続きをしよう

死亡届とは、本人の死亡の証明を行う公的な証明書で、この届出が受理されて初めて住民票に死亡が記載されます。もちろん自分で提出できるものではありません。
火葬許可証とは、死亡届を提出する際に、自治体が交付する火葬を認める許可証のことをいいます。

原則として、これらの死亡届と火葬許可申請書は同時に窓口へ提出する必要があるのでどちらも用意します。

死亡届と火葬許可申請書の提出は、自分でもできますが、葬儀屋の手配をしている場合には、記入の仕方から提出の代行までおこなっている葬儀屋も多いので、そちらに指示をあおぎ任せてしまっても良いかもしれません。
ただし、印鑑や本籍地の記入などの必要があるため、あらかじめ調べたり準備をしておきましょう。

それでは、死亡届と埋火葬許可証の書き方や提出先や提出方法をそれぞれ見ていきたいと思います。

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2. 死亡届の準備と提出

2-1. Q.死亡届はどこでもらえるの?

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家族や親が死んだら、まず医師などから死体検案書(死亡診断書)が交付されます。

死亡届は、交付された死体検案書(死亡診断書)の左側にあり、一枚の用紙になっています。右側の死体検案書(死亡診断書)部分は基本的に医師に記入してもらうものですが、左側の死亡届は親族などで書く必要があります。

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死体検案書(死亡診断書)と死亡届はセットになっており、後の様々な手続きの際に提出を求められる場合があるため、念のため何枚かコピーをとっておくことがおすすめです。

2-2. Q.死亡届はどこに提出すれば良いの?

死亡届の提出場所は、亡くなった人の死亡地か本籍地、もしくは届出人の本籍地の3ヶ所のいずれかの市町村役場に限られています。窓口は戸籍を扱う係になります。

注意しなければならないのが、提出は亡くなった人の住所地の役場ではダメだということです。間違える人が多いので注意しましょう。

また、亡くなった人の住所地は知っていても本籍地を知らないといったケースも多いため、あらかじめ本籍地は知っておくことが大切です。

2-3. Q.死亡届に必要な記入事項は?

死亡届の記入に必要となる事項は以下になります。いざと言う時のために、家族の中で不明なものがある場合は、あらかじめ聞いたり調べておくと良いでしょう。

・死んだ人の氏名、性別、生年月日
・死亡時刻と死亡した場所(死亡診断書に記載されているもの)
・死んだ人の住所と本籍
・死んだ人の配偶者の有無など
・死んだ人の主な仕事と職業
・届出人の住所と本籍
・届出人の氏名と署名、生年月日、押印

2-4. Q.死亡届の届出は誰が出せるの?

届出義務者は優先順位順に、第1順位が死んだ人の親族、第2順位が同居人、第3順位が家主、地主、家屋管理人、土地管理人となっています。

届出義務はありませんが、上記以外に、同居していない親族、後見人、保佐人、補助人なども届出人となる資格はあり、順位に関係なくこれらの人であれば死亡届の提出は可能です。

2-5. Q.死亡届はいつまでに出せばいいの?

死亡の届出は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3ヶ月以内)と戸籍法第86条で定められています。

死亡した日から7日以内ではなく、死亡したことを知った日から7日以内に死亡届を提出すれば良いようです。

提出場所となる戸籍係には原則として24時間365日提出が可能ですが、一部の出張所のような所では業務時間外に提出できない場合もあるので注意しましょう。

2-6. Q.死亡届提出の際の持ち物は?

・死体検案書(死亡診断書)
・身分証
・印鑑

3. 火葬許可申請書の準備と提出

火葬許可申請書とは、火葬場で火葬を行なうために必要な火葬許可証の交付を受けるために必要な申請書です。原則として死亡届と同時に出す必要があります。
大阪市などの一部の市町村によっては、死亡届を提出する事で火葬許可書が発行されるため、火葬許可申請書が必要ない場合もあるようです。

火葬は、原則として、死後24時間を経過した後でなければ行なってはならないと規定されています(墓地、埋葬等に関する法律第3条)。
これは、昔は死亡診断の技術が進んでいなかった名残で、蘇生するかもしれないというのが大きな理由のようです。

3-1. Q.火葬許可申請書はどこでもらえるの?

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区、市民課や窓口サービス課など、火葬許可申請書を提出する窓口でもらうことができます。一部、市区町村のホームページなどでダウンロードが可能な場合もあります。
申請書の様式は各市区町村ごとに違うので、死亡届を提出する市区町村役場の窓口で確認し、準備しましょう。

3-2. Q.火葬許可申請書はどこに提出すれば良いの?

区、市民課や窓口サービス課などに、死亡届と同時に提出するようにしましょう。

原則、死亡届と同時に提出するものなので、こちらも役場の開いていない時間外でも提出は可能なようです。
ただし、時間外に提出する場合には、火葬許可証の交付自体は役場の開いている時間となるため、後日交付となってしまいます。

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市の斎場などで火葬を行なう場合には、申請時に火葬料を支払う場合があります。

3-3. Q.火葬許可申請書に必要な記入事項は?

・届出人の住所と本籍
・死んだ人と届出人との続柄
・届出人の氏名、生年月日、押印

・死んだ人の住所と本籍
・死んだ人の氏名、性別、生年月日
・死亡時刻と死亡した場所(死亡診断書に記載されているもの)

・火葬場所と火葬日時

火葬許可申請書に必要な事項は上記が主な項目となりますが、市区町村ごとに様式が違い必要な項目も変わるので、分からない場合は窓口や手配した葬儀屋に聞きましょう。

3-4. Q.火葬許可申請書の届出は誰が出せるの?

死亡届と同様になります。⇒ Q.死亡届の届出は誰が出せるの?

ただし、火葬許可申請書の届出人と死亡届の届出人は同じ人である必要があるので注意が必要です。

3-5. Q.火葬許可申請書はいつまでに出せばいいの?

こちらも死亡届と同様になります。何度も言いますが、原則、死亡届と火葬許可申請書は同時に提出です。⇒ Q.死亡届はいつまでに出せばいいの?

3-6. Q.火葬許可申請書提出の際の持ち物は?

・死亡届
・身分証
・印鑑

4. 埋葬許可証って何?

火葬許可証と名前は似ていますが別のものです。

埋葬許可証は、火葬許可証を火葬場に提出し、火葬が行なわれた後に火葬場から交付されるもので、火葬許可証と一体となっている場合も多いようです。

埋葬許可証は、葬儀の後に墓地や納骨堂に納骨を行なう際に提出が必要なものなので、それまで保管をしておく必要があります。そういった性質からこれを紛失してしまう人も多いようです。

許可証のない埋葬は法律(墓地、埋葬等に関する法律第14条)で禁止されているため、埋葬許可書が無いと納骨はどこにもできなくなってしまいます。納骨が終わるまで大切に保管しておきましょう。

check! 埋葬許可証の再発行
万が一、埋葬許可証を紛失した場合、交付されてから5年未満であれば、死亡届を提出した市区町村役場で再発行が可能です。
5年以上経過してしまっている場合には、火葬した火葬場で火葬証明書を発行してもらい、それを死亡届を提出した市区町村役場に提出する事で再発行が可能なようです。

5. 死亡届と火葬許可申請書は葬儀屋にまかせるのが良い

以上が、死亡診断書をもらった後、次に行なう手続きとなります。家族や親がなくなってすぐにこういった慣れない手続きをするのは骨が折れることだと思います。

ですので、死亡届や火葬許可証の手続きに関してはプロである葬儀屋にまかせてしまうのがおすすめです。

そのためにも、生前から、信頼のできる良い葬儀屋を見つけておくと良いかもしれませんね。

また、いざと言う時のために、こういった手続きに必要な本籍地などの個人情報も家族の中でしっかり共有しておくことが大切です。

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