美しすぎる光景や圧倒的な生命力を感じさせられるような絶景を目の前にした時、人はついつい死にたくなる!?
そんな素晴らしい絶景スポット(自殺の名所)を紹介します。
mokuji
1. 絵画のように美しい景色の自殺の名所
世界中では少なくとも40秒に1人の自殺が行われています。
WHO(世界保健機関)による自殺に関する報告書
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs398/en/
日本でも、毎年少なくとも約3万人が自殺を選択しているわけですが、
皮肉なことに、得てして自殺の名所といわれる場所には美しい景色の場所が多いような気がします。
” 死を考えるのは死ぬためじゃない、生きるためなのだ “
アンドレ・マルロー
絵画のように美しい景色の自殺の名所を訪れて、どう生きるかを考え直してみるのも一興です。
今回は死ぬ前に一度は行ってみたい、東尋坊を紹介します。
2. 美しい自然の造形美 – 東尋坊(福井県)
出典:http://ange110.blog.so-net.ne.jp/archive/201108-1
東尋坊の魅力といえば何といっても古くから名勝として称えられてきた断崖絶壁。
火曜サスペンス劇場のラストシーンとしてお馴染みだったり、写真でも迫力のある景観は目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
水面から25mもの高さ(ビルの8~9階くらい)のある断崖は、間近で見ると迫力満点でまさに絶景です。
荒波に削られた岩肌と波飛沫からは美しさと荒々しさを感じ、見ているだけで圧倒されてしまいます。
また、断崖絶壁だけでなく、「日本の夕日百選」にも選ばれた美しい夕暮れも見ることができ、様々な表情を見せてくれます。
東尋坊の先、赤い橋を渡った先には雄島があります。遊歩道では樹齢100年を超える樹木や海食による崖があり、東尋坊とはまた違った美しい景色を楽しむことができます。
3. 東尋坊、もう一つの顔
自然の美しさと力強さを感じさせられる東尋坊ですが、
言わずもがな、自殺の名所です。
「東尋坊で自殺した遺体は、雄島へ流れ着く」といわれ
「雄島は、時計回りが正しくて、反時計回りをすると死ぬ」というような 話もできるくらいのスポットでもあります。
ちなみに、東尋坊の名前の由来は、民に悪行の限りを尽くし怪力極悪で恐れられた東尋坊という僧の名前からきているとされます。
東尋坊は恋敵の真柄覚念(まがらかくねん)という僧に絶壁の上で泥酔させられ海へ落とされ最期を向かえたわけですが、
その後、49日間にわたって東尋坊の無念により、海は大荒れとなり、それからこの地が東尋坊といわれるようになったとのことです。
さらに東尋坊の怨念は、自分を殺した恋敵の真柄覚念さんをもその絶壁の底へと吸い込んだとも言われています。
なにそれこわい
自殺の名所にふさわしい逸話ですね・・・。
というわけで、現在も自殺志願者が後を絶たない絶景スポットなので、そういった自殺志願者を救うためのNPOの活動や、イメージアップを目指す活動も多く行われているようです。
4. 自殺志願者を救うための様々な試み
4-1. NPOのはたらきかけ
こちらのNPO法人「心に響く文集・編集局」では、自殺志願者を活動10年足らずで500人を保護したそうです。
東尋坊で保護される自殺志願者「ものすごいペース」で増加
http://www.j-cast.com/2009/02/11035582.html
東尋坊のNPO、500人目を保護 自殺防止へ見回り
http://www.asahi.com/articles/ASG985F01G98PGJB00M.html
雇用環境や景気の悪化で自殺志願者も増えるようです。
意外だったのは、東尋坊では冬には自殺志願者が減るという点。
真冬の東尋坊で死ぬのは寒いしつらそうだから今は止めておこうとかあるんでしょうか。
NPOの人 「自殺やめてください」
自殺志願者 「はいやめます」
こんな風にあっさり話が終わるなんて考えられません。きっと1人を保護するにも話を聞いてあげたり説得したり大変な苦労しているのでしょう。
4-2. 救いの電話
自殺志願者を思いとどまらせるための「救いの電話」というものも設置されています。
By 藤谷良秀 (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
電話ボックスの中には10円玉やテレホンカード、タバコ、生活保護申請に関する新聞の切り抜きなどが置いてあるようです。
実際に、この電話から年間100人単位で保護されているらしい。まさに最期の命綱ですね。
やはり、誰かが話を聞いてくれるというのは大事なことかもしれません。
真冬に行けば鬱度もアップ!福井県を代表する鬱観光名所「東尋坊」とレトロ展望台「東尋坊タワー」
http://deepannai.info/toujinbou/
4-3. ドリャーおじさん
現在は活動されていませんが、かつて毎日東尋坊の断崖絶壁から「ドリャー」と奇声を上げて飛び込み、断崖絶壁を自分の手足でよじ登ってはまた海に飛び込むおじさんがいました。
飛び降りても簡単には死ねないぞというアピールで自殺防止の啓発活動をしていた有名なおじさんです。
4-4. 東尋坊のイメージアップを目指すような試みも
海を渡った恋人たちの伝説の舞台"東尋坊"として、イメージアップを目指す施策も行われています。
バーカウンターが特設され、美しい景色を見ながらお酒とライブ演奏が楽しめるようです。
東尋坊 夕陽ハートカクテル
http://www.fuku-e.com/yuhi/2014/
5. 東尋坊の明と暗
東尋坊の魅力、伝わったでしょうか。
美しい景色と自殺の名所という顔を持つ場所は、本当の意味で、生と死を見つめなおす事ができるような場所かもしれません。
一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
但し、くれぐれも、ちゃんと帰ってくる前提でお願いします。
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