突然、家族や身内が急死した場合や、何をしてよいかわからず困った時には、これを思い出してください。まずやるべきこと、やってはいけないことを分かりやすくまとめました。

今知る必要のないことだと思った人も必ずいつか役に立つことです。

家族が死んだ際に行う各種手続きを知りたい人は、下部に記事リンクをまとめたので参考にしてください。 ⇒ 家族が死んだ際に行う各種手続き

1. 家族や親が死んだら、最初にすること

1-1. 自宅で亡くなった場合(通常)

自宅で療養中の人が危篤状態に陥った、もしくは亡くなってしまった場合には、ただちにかかりつけの医師に連絡しましょう。

かかりつけの医師がいない場合、分からない場合には119番に連絡し、救急病院に搬送してもらいます。病院に搬送された場合は、「病院で亡くなった場合」を参照してください。もし自分一人で対応するのが不安であれば、親戚や友人などにも連絡して助けてもらうのも良いかもしれません。

そしてここで1つ、よくある間違いとして注意しておかなければならないことがあります。

「亡くなったと自分達で判断をして、真っ先に葬儀屋を呼ぶことはやめましょう。」

葬儀屋が色々とやってくれるというイメージを持っている人は多いと思いますが、あくまでそれは正式に死亡と認められた後の話です。医師が確認を行い、死亡を宣告しない限りは、正式に死亡したとは認められないため、葬儀屋を呼んでも何もできないのです。

かかりつけの医師が確認を行い、問題がなければ死亡診断書が作成されます。そこで初めて葬儀屋に連絡をするようにしましょう。

手順のおさらい

1. かかりつけの医師か119番に連絡

2. 死亡診断書が作成された後に葬儀屋へ連絡

この後は、葬儀の手配や、必要な場合は遺体の搬送を行うことになります。搬送の準備と葬儀屋の決定 を参照してください。

1-2. 自宅で亡くなった場合(急死)

在宅療養などはしておらず、普通に生活していた人が亡くなった場合は、ただちに119番に連絡し救急車を呼びましょう。回復や蘇生の見込みがなくても救急車を呼ぶようにしましょう。また、かかりつけの医師がいる場合には、念のためその医師にも連絡を入れておくと良いです。

救急車を呼び、脈が無い場合には蘇生処置等をしてもらうことになりますが、蘇生しない場合には救急隊から警察に連絡が行き、それ以降は警察扱いとなります。

ここでも1つ、絶対に注意しなければいけないことがあります。

「警察の事情聴取や現場検証が終わるまでは、倒れた人の現状をそのままにしておかなくてはいけません。」

どうしても触りたくなる気持ちはわかりますが、そこはグッと抑えて、勝手に布団に寝かしたりしないように注意しましょう。周りのものを片付けるのもやめておいたほうが良いでしょう。警察が到着する前に、遺体を動かしたり服を着せたりしてしまうと、身内による犯罪や証拠隠滅が無い事を確認するために、こと細かく事情聴取されることになってしまいます。

警察が調査を行い、犯罪性がないと判断されると、監察医もしくは検視官の検視により、死体検案書が作成されます。ここでやっと遺体を動かすことができます。お布団へ寝かしてあげましょう。

手順のおさらい

1. 「 119番 」に連絡

2. かかりつけの医師がいる場合には連絡

3. 警察の現場検証まで遺体を動かしたりしないで待つ

4. 死体検案書が作成された後に葬儀屋へ連絡

この後は、葬儀の手配や、必要な場合は遺体の搬送を行うことになります。搬送の準備と葬儀屋の決定 を参照してください。

1-3. 病院で亡くなった場合(通常)

最近は病院での面会規制もある為、危篤時に病院から連絡が来ることが多いですが、急に容態が悪化し亡くなった場合等には「病院まで大至急来てください」と言った連絡がきます。その場合は残念なことではありますが、電話では死亡した旨が伝えられないためそういった表現で連絡が来るそうなので、気をしっかり持って病院へ向かいましょう。急なことで動揺している場合はできる限り自分で車を運転して向かうなどは避けてください。

病院に到着すると、普通の病死の場合は、医師からの説明後、死亡確認を一緒にすることになります。

本人確認と瞳孔が開いているかの確認を行い、「○時○分死亡」と時間を確認後、死亡が確定します。これはドラマなどでも見たことのあるシーンかもしれません。

そして、医師の説明の後、死亡診断書が渡されます。

手順のおさらい

1. 気をしっかり持って病院へ向かう

2. 医師と死亡確認をする

3. 死亡診断書が作成された後に葬儀屋へ連絡

この後は、葬儀の手配や、必要な場合は遺体の搬送を行うことになります。搬送の準備と葬儀屋の決定 を参照してください。

1-4. 病院で亡くなった場合(急死)

救急車などで運ばれ、医師が死を看取った場合でも、急死で死因が不明の場合には、自宅で発見した場合と同様、警察による検視や事情聴取が行われます。その際には、持病があったかどうかや住所氏名の確認などがされるようです。

なぜ警察を呼ぶかというと、医師は、死体の検案(遺体の診察)を行い、死体に異状があると認めた時には、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならないと医師法21条で義務付けられているからです。これは、医師は殺人などの犯罪の発見や捜査に協力する義務があるという理由から決められたことのようです。ちなみに、入院中に死亡した場合も、生前に診療していた病気や怪我に関連する死亡だと判定できない場合には、同様の流れとなります。

その後、犯罪性がないと判断された場合には、医師の死体検案の後、死体検案書が作成されます。

医師の検案によって死因が究明されない場合は、遺族の希望から病理解剖が行われるか、もしくは監察医での行政解剖が行われることになります(犯罪性がある場合は司法解剖になります)。

費用負担に関しては、基本的には病理解剖は病院が負担、行政解剖は自治体負担が多いですが、ごく一部で例外もあるようなのでそういった場合は事前に確認しておいたほうが良いようです。

このように、急死や死因が不明の場合、医師から死体検案書を作成してもらうまで長く時間がかかります。解剖があると一日中帰れないこともあります。なので、こういった場合には、むやみに家族や友人、親戚などを病院に呼び寄せることは控えておいたほうが良いかもしれません。

手順のおさらい

1. 警察に事情を伝える

2. 医師と死亡確認をする

3. 解剖が行われる場合は待つ

4. 死体検案書が作成された後に葬儀屋へ連絡

この後は、葬儀の手配や、必要な場合は遺体の搬送を行うことになります。搬送の準備と葬儀屋の決定 を参照してください。



2. 死体検案書と死亡診断書の交付とその違い

上の内容を読んで、普通の病死の場合と急死の場合で医師から作成される書類の名前が違うことが気になった人もいると思いますが、「死体検案書」と「死亡診断書」の違いとは一体何なのでしょうか。

結論からいうと、死亡診断書と死体検案書は、死亡を証明する書類という点では同等の効力を持っており、どちらも死亡が判明した当日または翌日に医師より交付されるものです。

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それでは何が違うのか。違いは、分かりやすくいうと、死亡するまで医師の管理があったかどうかです。

医師の管理の下、病院での診療や在宅医療などを続ける中で死亡し、生前に診療を行っていた病気や怪我に関連する死亡である場合には、「死亡診断書」が作成されます。

それ以外の死亡(突然死や事故死など)の場合は、死因を特定するために医師は検案を行う必要があるため、「死体検案書」となります。また、解剖が行われた際にも死体検案書となります。

ちなみに、死体検案書と死亡診断書の書類自体は、上の画像の通り同じものが使用されるため、不必要な方は二重線で消してある状態で医師から発行されます(死体検案書を発行する場合には死亡診断書の記載が二重線で消されます)。

死亡診断書・死体検案書は、年金や保険の手続きなどの、その後の手続きで必要となる場面があります。何枚かコピーをしておくと良いでしょう。

3. 搬送の準備と葬儀屋の決定

遺体を病院に置きっぱなしにしておくことはできないので、まずは遺体をどこに安置するかを決める必要があります。自宅に安置するか、葬儀屋の霊安室に安置してもらうかを決める必要があります。

急なことだったり、自分が喪主でないといった場合には、葬儀屋に連絡をするにもどこにすればよいか分からないなどがあると思います。その場合は、家族に相談して決めるか指示を仰ぎましょう。病院でも葬儀屋さんを紹介してもらうことができますが、予め信頼できる葬儀屋さんを知っているのであれば、そこに連絡して迎えにきてもらうのが良いです。

また、エンディングノートや遺言書などの存在を知っている場合には、葬儀や埋葬の方法などについて記載されているかもしれないので、できる限り本人の意思を尊重してあげたいと思う場合には目を通しておくと良いかもしれません。

ここで1つ、ちょっとした豆知識ですが、葬儀や埋葬方法に関しては、遺言事項とされていないため、遺言書にそういった内容が記載してあっても法的な効力はありません。また、遺言書の開封には家庭裁判所で検認手続きが必要なので時間と手間がかかってしまい、葬儀の手続きの後に開封する場合も多くなってしまいます。ですので、自分の死後、葬儀や埋葬方法で希望がある人は、遺言書ではなく、エンディングノートや口頭などで伝えておいたほうが意思を尊重してもらえるかもしれません。

葬儀屋を決めて連絡すれば、あとは色々といいようにやってくれる事と思いますのでお任せしましょう。遺体を安置する場所も決まれば寝台車で遺体の搬送となります。寝台車とは、病院契約、もしくは葬儀場契約の緑ナンバーの車で、これに遺体を乗せて搬送することになります。

余談ですが、寝台車の緑ナンバーはタクシーのような旅客目的ではなく貨物登録された車のようです。遺体になった時点で、貨物に分類されてしまうのは少し悲しいものですね。

安置する場所に到着したら、遺体を下ろし、お布団に寝かしてあげましょう。できることなら、お通夜の日までは一晩でも自宅の布団に寝かせてあげたいものです。

これでとりあえずの一段落となります。ここから先は、方々への連絡を行い、死んだ際に行う各種手続き、葬儀へ向けての話を進めていくこととなります。

こちらでは葬儀屋への連絡の後から葬儀の終わりまでの一連の流れを紹介しています。葬儀プランを決める時に分からないことがないよう把握しておくと良いです。

面倒だけど知っておきたい葬式・葬儀の流れ|損やトラブルを避けるための葬儀の知識

4. 家族が死んだ際に行う各種手続きを知っておこう

いざ身近な人が亡くなってしまったら何も手につかないといった状態になるかもしれません。そんな時もあらかじめやらなければいけない事を知っておけば、わけが分からず面倒なトラブルなどに巻き込まれてしまったり等して故人を蔑ろにしてしまう心配もありません。

IQUOでは、誰かが亡くなった際に必要な手続き・準備の話も紹介しています。以下のページも参考にしてみてはいかがでしょうか。

5. 必ず必要に迫られること

いざ、親や家族が死んだら、何をして良いか分からず戸惑う人も多いと思います。どうすれば良いかその時に調べようにも冷静ではいられないでしょう。普段、万が一のことに関しては考えないようにしている人も多いとは思いますが、こういった事は、必ず必要になる時が来てしまいます。目を背けず、前もって知っておくべきかと思います。

まず、何をしなければならないのか、今回の記事を参考にしながら、さらに気になる事に関しては調べたり話し合ってみてはいかがでしょうか。

さいごまで読んでいただきありがとうございます。お時間に余裕がありましたら、2,3分で終わる簡単なアンケートにご協力いただけると嬉しいです。今後、取り上げる記事などの参考にさせていただきます。

身辺整理に関する簡単なアンケート

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