一昔前までは、ペットを文字通り「ペット」という捉えかたで、亡くなったなら火葬を行い、なんとなく埋葬をするというのが主流でしたが、現在では、前回も書いたように「家族やパートナー」といった位置付けでペットを考える人が増えているため、ペットの供養についても、選択肢が広くなってきました。
今回は、火葬後の「ペット供養」について、主に、「ペット霊園での供養」と「自宅での供養」の2つを紹介していきます。
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1. ペット供養はペットと自分のために
火葬後のペット供養は、基本的にはペット葬儀の業者にそのまま依頼する事が多いと思いますが、霊園での供養や自宅での供養、また、お骨を分けて自宅と霊園の両方で供養することなどが可能です。
そもそも、ペット供養とは、ペットを失った人のためのサービスで、宗教活動とは認められないという判例も過去に出ているように、飼い主の気持ちによって自由に行なうことができるものとされています。
そのため、ペット供養には決まった形式はありません。
ペットを家族のようなかけがえのない存在として捉えている人が多くなったため、近年では、ペットを失った時のショックで精神的、身体的疾患を患ってしまうような「ペットロス」が社会問題になりつつあります。
そういった背景もあり、ペット供養は、死んだ後もペットに愛情を注いであげるという目的だけではなく、
飼い主の自分が悲しみから立ち上がり、ペットとの楽しかった日々を想い出してあげながら元の生活に戻るための心の整理ができるような位置付けとしても大切なものになっていくかもしれません。
2. ペットの自宅供養
近年、ペット霊園などが増えつつあるものの、大手のペット葬儀業者でも火葬後には全体の8割ほどの人が遺骨を全部または一部自宅へ持ち帰るそうです。
やはり、ペットは家族やパートナーといった感覚であるため、しばらくはそばへ置いておきたい、この先一緒にお墓に入りたいなどといった様々な思いから、自宅でも供養できるかたちを選択する人が多いようです。
ペットの自宅供養は、自宅の庭に埋葬することもあれば、小さな骨壷に入れて自宅に祀ったり、 ペンダントやお守り等に加工するようなこともあり、人によって様々です。自宅供養は、生きていた時と同様に近い距離でいられるため、飼い主にとっての心の安らぎにもなります。
2-1. ペットの手元供養具(メモリアルグッズ)
最近では、大切にしていたペットとずっと一緒にいたいという想いから「手元供養」というかたちが増えつつあります。
手元供養とは、霊園などへ納骨をせず、ペットの遺骨を自宅に置き身近で供養をするような方法です。手元供養に関しては、ペットに限らず、近年、少子高齢化や単身者の増加による墓離れや仏壇を持たない家庭が加速する背景で人間のほうでも指示され始めています。
手元供養には、遺骨を骨壷に入れて自宅に置いておくかたちから、遺骨の一部をロケット型ペンダントに入れて身につけたり、遺骨(遺灰)を加工してアクセサリーにするといったかたちまであります。
今回は、インターネットで手元供養具を買うことのできるショップもいくつか紹介しておきます。手元供養のニーズは増えてきているので、興味のあるかたはこういった供養具も増えてきているということを知っておくと良いかもしれません。
Sottoシリーズ 小さな仏具/オールインワン仏具:三具足と花器がひとつになったポタリン 3カラーから選べます
かわいいペット骨壷リアン マット カラー:シルバーフォトフレーム付 【お名前や命日を刻印出来ます!】
とてもお洒落なデザインのオールインワン仏具やメモリアルアクセサリーが多くあります。フォトフレーム兼ペット骨壷の「リアンシリーズ」も、骨壷には見えないような可愛らしいデザインで、ペットを飼う若い女性からも人気がありそうです。
ペット骨壺 http://www.moegikobo.com
卓上型ペット仏壇 http://www.moegikobo.com
生きていた頃の温かみが感じられるようなペット用の位牌や仏壇が取り揃えられています。ペットの元気な姿を今までの感謝の気持ちとともに残すことのできるメモリアルスタンドは、見る度に楽しかった日々を想い出すことができると思います。
防水仕様【遺骨ペンダント】ステンレス製メモリアルペンダント ペット・アニマルデザイン MST-002P
[ミニ仏壇・小型仏壇] INORI-OUCHI(いのりのおうち) 20 ウェンジ 【グッドデザイン賞受賞】
人とペットの垣根なく、洗練されたデザインの手元供養具を多く取り扱っています。グッドデザイン賞も受賞しているミニ仏壇の「いのりのおうち」シリーズは、シンプルだけどとても温かみがあり、残された家族を静かに見守っていてくれそうな気がします。
3. ペット霊園とは
以前は、人間用の霊園の一部でペットの埋葬などを行なっている所がほとんどでしたが、ペットを飼う家庭の増加とともに、供養のための施設への需要も増加し、最近ではペット専用の霊園や、飼い主と同じお墓に入ることのできる霊園も登場しています。
ペット霊園では、人間の埋葬と同じように、火葬を行なったり、骨壺による埋葬や四十九日などの忌日法要を行うようなサービスが用意されていることいるところが多くあります。
納骨方法や契約期間などは霊園によって異なりますので、利用の際には聞いてみるのが良いでしょう。
3-1. ペット霊園の選び方
ペット霊園の利用の際に、主に聞いておきたいポイントは以下になることと思います。
納骨堂の契約期間について
葬儀の後、遺骨を自宅へ持ち帰り、自宅供養の後、四十九日に向けて納骨を依頼する場合には、各霊園の年間契約料などを聞いておくと良いでしょう。
その霊園で葬儀自体を行なっている場合などは利用料が安くなるようなサービスがあるところもあるようです。納骨堂の種類について
ペットの安置供養は納骨棚でおこなわれていることが多く、個別に区分けされた納骨棚と、数匹ごとに区分けされた合同納骨棚があります。
人と同様のような形で個別の納骨仏壇が用意されているような場所もあるようです。お墓の種類について
お墓についても納骨堂と同様にいくつか種類があります。ペットのお墓は、個別のお墓から、動物別の合祀墓、全動物の合祀墓などいくつかあるようです。
また、人間用の霊園と同じ場所でペットの供養も行なっている所では、飼い主とペットが同じお墓に入ることのできるような共葬墓があるところもあります。
(ちなみに、同じお墓ですが、墓石内の納骨室はペットと飼い主で区切ってあります)法要について
多くの霊園では、初七日や四十九日、一周忌などの法要が定期的に合同で執り行われています。
「ペットロス」にならないよう、その事実を少しずつ受け入れ、「一緒に時を過ごせてありがとう」と言えるような日を迎えるために、飼い主のあなたにとっても法要という機会は大事なことと思います。
どういったタイミングで法要が行われるかや、個別法要が可能かどうか等は必要があれば聞いておいたほうが良いでしょう。また、お盆(新・旧)や春秋のお彼岸といった時期にも合同慰霊祭といったことが行なわれているところも多くあるようです。
オプションや割引の有無
最後はお金の話ですが、葬儀と同様にペット霊園の選択に関しても、オプションの有無や割引条件があるか、利用料の総額などをあらかじめ聞いておくようにしましょう。
複数の選択肢がある場合には、複数社の見積もりを取ると良いです。大切な家族をおまかせするわけですから、信頼のできる霊園にお願いするにこしたことはありません。
3-2. 補足:納骨堂とお墓の違い
結論から言うと、納骨堂もお墓の一種です。
厳密な違いとしては、納骨堂は「ご遺骨を保管してもらう場所」で、お墓は「遺体や遺骨を収める場所」とされていますが、最近では、人間の話でいうと、利便性や引継ぎ手がいない等の理由からお墓ではなく永代納骨する人も増えてきているようです。
4. ペット(犬)の死亡届
ペット供養と共に、もう一つ、犬を飼っていた場合には、飼い主にはやっておかなければならないことがあります。
それはペットの死亡届の提出です。
犬を飼う際には保健所に登録をしていることと思います。そのため、犬がなくなった際には、登録している市区町村役所に「飼い犬の死亡届」を提出する必要があります。
その際に必要な手順をまとめておきます。
※ちなみに、これは犬に限ったお話で、猫や鳥などは保健所への登録自体が不要なので、死亡届の提出は必要ありません。
STEP1.
まず、飼い犬が死亡してから30日以内に申請が必要となります。
STEP2.
手続きに必要なものを準備する
- 鑑札の返却
- 狂犬病予防注射済票の返却”
- 死亡届
http://www.city.bunkyo.lg.jp/tetsuzuki/pet/inu/kyoukenbyou.html
※以前は、鑑札がだ円形、予防注射済票は四角形でしたが、現在は自治体により形が違うことと思います。
鑑札などを紛失している場合、思い出の品として残して全ておきたい場合には、窓口で相談してみると良いでしょう。
STEP3.
死亡届を記入
こちらも自治体により形式が違うので、各自治体のホームページからダウンロードするか、窓口で書類をもらってきた上で必要事項を記入して提出しましょう。
STEP4.
血統書付きの場合は犬種団体へ連絡
血統書登録をしていた犬の場合には、所属の犬種団体への死亡連絡もしておくと良いです。
血統書の裏面に死亡年月日と飼い主の氏名住所を記載し、所属の犬種団体に送付しましょう。
鑑札などと同様に、血統書を記念として残しておきたい場合には、その旨も書いておくと手続きが終了した後に飼い主の元に血統書が返送されてきます。
5. ペットとのお別れも考えておく
ここまで、ペットが亡くなってから、葬儀、供養までの流れを追ってきましたが、ペットが亡くなってからも飼い主がしてあげられることの多さに気付きましたでしょうか。
そして、大切なペットが元気な今のうちに考えておかなければならないこともいくつかあったことと思います。
いつかはと覚悟をしているつもりでも、やはり家族同然のペットを失うということは、とてもつらく考えたくないことかもしれません。
ですが、ペットが死んだらおしまいではなく、その後も、ペットとの関係は続くことを忘れないことが大切です。
亡くなったペットにとっても飼い主が元気で幸せになってくれることが幸せと感じるはずです。
時間が経った時、失ったつらさからも立ち直り、ペットに感謝の言葉をかけてあげられるように、納得できるかたちでお別れをすることが何よりも大切です。
そのために、いつかくる日のために今できることがあればしておくことをお勧めします。
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