小説がベストセラーとなり映画化もされた「世界の中心で、愛をさけぶ」では、ラストで散骨をしています。
2012年に公開された、高倉健さん主演の映画「あなたへ」は、散骨が1つの大きなテーマとなり話題となりました。
この散骨はいわゆる自然葬の一つの手段です。自然葬とは他にどういったものがあるのか見ていきましょう。

1. 自然葬とは

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自然葬 (しぜんそう)とは、人工物の墓石などを使わず、遺骨を直接自然へ返す葬送の方法のことをいいます。
散骨と同じ意味で使われることもありますが、広くいうと自然に回帰するような葬送全般が自然葬と呼ばれています。

海や山などに遺体や遺灰を還すことにより、自然の大きな循環の中に回帰していこうとする葬送の方法です。狭義にとらえると散骨と同義であり、広義にとらえると海葬、風葬、鳥葬、水葬、火葬、土葬、植樹葬など自然に回帰するような葬り方全般を指すというとらえ方もあります。
今回は散骨も含め、様々な葬送の方法(葬法)を紹介したいと思います。

2. 土葬

よく耳にすると思いますが、土に穴を掘って埋める埋葬方法です。
現在は火葬が99%を占めていることもあり、土葬は全面的に禁止されているように思っている方も少なくないと思いますが、じつは法律では土葬も可能で、条例で土葬を禁じている一部自治体を除いては行うことができるとされています。

では、そこら辺に土葬して良いのかというと・・・

土葬を禁じている一部自治体には東京都、大阪府、名古屋市等、大都市圏はがっつり含まれ、条例制定はされていないものの内規レベルでの禁止をされているところが殆どで、現在土葬の習慣が残っているのはごくわずかな地域に限られています。

天皇皇后両陛下も、一昨年、江戸時代から続いてきた「土葬」での埋葬を見直し、400年ぶりに「火葬」にすることを決めたと発表されたように、近年は土葬が行われてきました。
また、東日本大震災では諸々の事態から特例措置として一部土葬が行われました。

天皇の埋葬が土葬から火葬へ。土葬文化ってまだあるの?

http://matome.naver.jp/odai/2138445877003652101 -NAVERまとめ

3. 海葬(海洋葬)

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主に海に散骨することを海葬と呼びます。海葬は、近頃メディアに取り上げられる事も多く、インターネット上で調べてみてもすぐにいくつか海葬サービスが見つかるほどなので近年注目されている人気の葬法なのかもしれません。

まさに自然に還るという表現が相応しく、イメージとしてもとても美しいかたちなので望む人が多いのは当然かもしれませんね。

ちなみに、水葬と海葬は違うので万が一、のこされた人達に希望を伝える場合には注意しましょう。水葬は遺体をそのまま海や川に沈める葬法です。国内では刑法190条の死体遺棄罪となる可能性が高いので困らせないよう注意しましょう。

砂瀑送葬

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出典:NARUTO-ナルト- 巻ノ七 94ページ 著者:岸本斉史

砂瀑送葬(さばくそうそう)はNARUTO-ナルト-に登場する我愛羅の術です。
砂縛柩(さばくきゅう)で捕えた敵を砂の圧力で潰す術です。
後にこの術の上位版ともいわれる砂瀑大葬、砂瀑層大葬が登場します。

4. 風葬

遺体を埋葬せず衣類を着せたまま、棺や小屋の中で風にさらし風化を待つ葬法で、世界各所に見られます。日本でもかつて沖縄や離島などで見られましたが現在は行われていません。

樹上葬や洞窟葬も風葬の一種です。ちなみに樹上葬というのは遺体を収めた棺桶を縄で縛って樹や岩から吊り下げ、遺体を白骨化する葬法だそうです。遺体を高いところに置くことで崇敬の念を表す特殊階級への葬法だったらしいです。

5. 鳥葬

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遺体を、鳥に食べさせる葬法です。主にチベット仏教やゾロアスター教で行われているようです。チベット仏教では身体を天へと送り届ける方法として、ゾロアスター教では火を神聖視するため鳥葬というかたちがとられているようです。

6. 宇宙葬

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遺骨などをカプセルなどに入れロケット等に載せ、宇宙空間(地球の周回軌道上)に打ち上げる葬法。
現在ではアメリカのエレジウムスペース社とセレスティス社のみが宇宙葬を行っているようです。

宇宙葬、なかなかロマンチックな葬法ですね。しかも、打ち上げられるだけでなく、地球の周回軌道を数カ月回った後、大気圏に突入して流れ星になるそうです。
まさにお星様になれるらしい。この表現だけで惹かれます。

「俺、星になってくるわ…」宇宙空間に散骨する”宇宙葬”が静かなブーム
http://matome.naver.jp/odai/2142062224395016901 -NAVERまとめ

いかがでしたでしょうか。
現代の日本では火葬が主ですが、自然葬と一括りに言っても、環境や思想の背景から独特の葬法が様々にあるようです。

近年、死後は自然に還りたいという想いや墓離れなどといった背景から、改めて自然葬が注目されはじめており、最近ではバラエティにとんだ葬送サービスが数多く出てきています。

自分らしい人生の締めくくりの選択肢の一つとして、自然葬を考えてみるのも良いかもしれません。

宇宙葬についてはこちらで詳しく紹介しています。
宇宙葬で誰でもお星様になれる時代

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