愛犬や愛猫など、ペットたちとのお別れの日はいつか必ず訪れます。ペットが死んだ時、飼い主のあなたは何をしてあげられるでしょうか。

今回は、もしペットが死んでしまったら、すぐにやるべき事からペット火葬や供養までを流れにそって紹介していきます。

別れは非常に辛いものですが、大切な家族であるペットに、最後だからこそしてあげられることが飼い主にはたくさん残されています。

1. 家族の一員としてのペット

日本では、現在、犬が987万8000匹、猫が984万7000匹飼われています。この数字は、15歳以下の子どもの人口よりも多く、日本が「ペット大国」であることを物語っています。【2016年全国犬猫飼育実態調査より(2017.1.17更新)】

昔のように家の外で飼うのではなく、家の中で犬や猫を飼う家庭も増え、それだけ一緒に過ごす時間やシチュエーションが増えました。それに伴いペットとの関わりかたも以前のような「飼う飼われる」ではなく、「家族やパートナー」といった位置付けに変化しつつあります。最近では、ペットフードやおもちゃも充実し、ペットと一緒に行くことのできる施設なども増えてきたため、より一層ペットとの絆や愛情を深められるようになりました。

生きているうちにペットに愛情を注ぐことは、ペットにとっても幸せなことです。ですが、家族の一員として愛され一緒に暮らしているペットでも、やはり人よりは長く生きられないことがほとんどです。そのため、飼い主のあなたは、ペットを飼うと同時にペットを看取らなければならないということも常に考えておかなくてはなりません。

強い絆で結ばれるようになった反面、近年では、「ペットロス」という言葉もよく耳にするようになり、家族としてのペットを失った時の悲しみは大変大きく、ショックに打ちひしがれてしまう人も多いかもしれません。

ですが、それだけ愛してあげていたからこそ、亡くなったらおしまいではなく、最期の最期まで愛情を注いで見送ってあげたいものです。そのためには、いつか来るお別れの日のために今のうちから知っておいたほうが良いことがあります。

飼っている犬や猫といったペットが亡くなったらどうすれば良いかを流れにそって紹介していきます。今のうちにしてあげられることはないか、どんな準備をしておけばペットが安らかに眠ることができるのか等を考えながら読み進めていただければと思います。

追記:お時間があれば、家族でペットを飼っている人に読んでもらえると嬉しいです。
猫が亡くなって – ペットとのお別れのかたちについて思ったこと

2. 最愛のペット、犬や猫が亡くなったら

ペットとの別れの日がやってきたら、あなたはまず何をするべきか。まずは、亡くなってから葬儀までの間のための準備が必要となってきます。

まず、ペットが亡くなった後、葬儀までの間は、遺体を一定期間どこかに安置しておく必要があります。

死後硬直のない動物もいますが、犬や猫の死後硬直は、手足から腹部、頭部といった順序で、かなりの早さで進行していきます。死後硬直は死後数十分から2~3時間程度で始まり、ピークは24時間程度です。その後は硬直が徐々に解けていくのが一般的です。

遺体を放置しておくと、つっぱったまま硬直して棺などに収まらなくなってしまうので、ペットが亡くなってしまった後には、前と後ろの足を折り曲げてあげてください。

ペットのお通夜や葬儀は人間と違って型式はありません。家族や自身が納得のいく形で、ペットが安心して旅立てる形で、お別れする事をおすすめします。

◆ 簡単にできる、ペットの棺の準備

まずは、遺体をおさめる棺を準備する必要があります。
pethitsugi

1.
ペットの入る大きさのダンボールや木製の箱を用意しましょう。

2.
遺体からは体液が染み出す場合があるため、それを防ぐために底には新聞紙やバスタオル、シーツを敷いてあげます。

3.
その上に、保冷剤やドライアイスを敷き詰めます。自宅で安置したい場合は、こうすることで遺体が傷むことを防ぐ事ができます。長時間安置する場合は、腹部にも氷やドライアイスを当ててタオルで固定してあげるのも良いです。

4.
さらにその上にバスタオルなどを敷きます。これはペットのお布団のようなものになります。体温の低下に伴い、寄生虫などが外に出てくるような場合にはバスタオルを新しいものに交換しましょう。

5.
これで安置用の棺が完成しましたので、その上にペットを寝かしてあげましょう。

最近ではペットの葬儀というのも多くなってきたため、ペット葬儀の業者さんが準備してくれる場合もあります。
また、ペット用の棺自体もインターネット等で購入する事ができます。紙箱から、人の葬儀で使われるのと同じ桐製の木箱や藤で編まれたかごのような棺まで様々あります。

ペットのためにできる限りのことをしてあげたいと思うのであれば、亡くなってから探すのではもう間に合わないので、万が一のことを考えて前もって準備をしておいてあげなくてはいけません。

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◆ ペットとのお別れまでにしてあげたいこと

ペットの遺体を葬送するまでの間は、最後のお別れの時間です。一緒にいてあげて、そばで見守ってあげたいものです。

火葬する場合には、一緒に火葬する思い出の品などを決めてあげましょう。ただし、金属製品やプラスチックは火葬できないので燃えるものに限定してください。エサやおやつを入れる場合にはビニールから出していれてください。

ペットのお通夜を行なう人も最近では増えてきたようです。人間のお通夜と同様に祭壇をつくり、元気だった頃の写真を飾ったり、仏花やお水、好物をお供えし、線香を焚いてあげます。生前に親しかったペット仲間がいる場合にはそういった方達と一緒に弔ってあげるのも良いでしょう。

3. ペット葬儀の準備をする

別れがつらいからと言って、ペットの遺体をずっと家に安置しておくことはできません。保冷剤やドライアイスで遺体が傷むことを遅らせることができても、48時間程度が限度と言われています(季節によって多少前後はありますが)。

ペットを寝かせてあげた後には、葬儀や見送りかたを考えてあげなければなりません。家族などとどうするか相談し意見をまとめた上でしかるべき場所へ依頼しましょう。

追記:家族で相談して欲しい理由はこちらの記事に書かせていただきました。
猫が亡くなって – ペットとのお別れのかたちについて思ったこと

ペットの葬儀に関しては主に、火葬、土葬、地方自治体の引き取りの3種類が考えられます。民間のペット葬儀業者に依頼する場合はほとんどが火葬となることと思います。

◇ ペットの火葬

文字通り、ペットの遺体を火葬する葬儀の方法です。基本的には民間のペット葬儀業者に依頼するのがオススメです。

一部自治体でもペット専用の焼却炉を備えて火葬してくれるところもありますが、合同で火葬されるところが多いです。また、自治体でペット専用の焼却炉を備えていたとしても遺灰に関しては一般廃棄物として処分場に埋められてしまい、返骨はしてもらえないので、骨壷に納めて供養したいなどの場合には民間業者に頼むと良いでしょう。

民間のペット葬儀業者の選びかたは以降で詳しく紹介していますので、
「ペット火葬の業者を選ぶポイント」を参照してください。

◇ ペットの土葬

土葬は土に埋葬する形の葬儀方法です。ペットの遺体は一般廃棄物という扱いを受けるので、私有地である庭へ埋葬する行為には問題はありませんが、その場合は近隣への腐敗臭の配慮やお墓を荒らされてしまわないように、穴を1メートル以上深く掘った上で埋葬するようにしましょう。

ただし、大型のペットになるとそのまま土葬することは現実的には難しいので、どうしても自宅の庭に埋葬したい場合には火葬してから埋葬してあげましょう。

ちなみに、私有地であればなんら問題はありませんが、公園や河川、他人の土地に無断で埋める事は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律5条の規定に反し「軽犯罪法違反」、または「不法投棄」となり同法律により罰せられるので注意しましょう。

※この土葬の話はペットに限った話です。ペットの遺体は上記の通り一般廃棄物という扱いを受けるのでそのまま庭へ埋葬することも可能ですが、人間の遺体を同様にそのまま埋葬をすると刑法190条の「死体遺棄罪」にあたります。

◇ 地方自治体の引き取り

こちらに関しては、葬儀の方法とは言えないので、選択肢からはずしておいても良いかもしれませんが、一応の選択肢としてご紹介しておきます。

地方自治体に引き取りを要請すると、遺体を引き取ってくれる場合もありますが、基本的には「有料ごみ」として処理され、他のごみと一緒に焼却処分されることが多いです。上で何度も触れていますが、一般的にペットの遺体は一般廃棄物という扱いですので、自治体はごみとして処理しているのが現状です。必要な場合は、料金など詳細に関して各自治体に直接問い合わせてみてください。



4. ペット火葬の業者を選ぶポイント

ペットとの最後のお別れとして火葬を選択する際には、火葬に立ち会いたい、返骨をしてもらって骨壷に納めて供養したい、散骨したいなど、それぞれ細かい要望などがあると思います。

火葬の種類としては、「合同火葬」「個別火葬」というものが存在するので、細かい要望がある場合にはそれを踏まえて、業者やプランを選ぶ必要があります。

それでは、主に、「火葬への立会い」「お骨上げ」「返骨」の3つが可能かどうかをチェックしながらペット火葬の種類を見ていきましょう。

◇ 「立会い個別火葬」

 火葬への立会い
 お骨上げ
 返骨

立会い個別火葬では、最後のお別れから火葬まで立ち会うことが可能です。個別で火葬し、立ち会った人で火葬後にはお骨上げを行い、遺骨を骨壷に納めることもできます。いわば人間の火葬とほとんど変わらない流れで行なう事ができるのが、立会い個別火葬です。

その後の遺骨の扱いに関しても、返骨するか霊園への埋葬や納骨施設の利用するかなどまで細かくフォローしてくれる業者が多いようです。人間の火葬とほとんど変わらないため料金もそれなりですが、最も細かいサービスが受けられる方法となっています。

ただ、数が少ないため、住んでいる場所によっては近くに立会い個別火葬を行なってくれる施設が見つからない場合もあります。

◇ 「訪問火葬(出張火葬)」

 火葬への立会い
 お骨上げ
 返骨

訪問火葬(出張火葬)とは、火葬炉を車内に設置している専用車で行なうことのできる火葬です。近年ペットが家族の一員と考えられるようになり、ペット供養への要望が強くなった中で登場した新しい方法です。

最近では、この出張訪問火葬を行なう人が増えています。私も利用しましたが、丁寧に見送りをさせていただきました。

無煙無臭で有害物質も発生させにくい構造の車で火葬を行なうことができるため、近隣への迷惑はあまり気にしなくても良く、また、24時間365日火葬の対応をしてくれる業者が多いのも強みです。

ペットの大きさや犬種や猫種によって料金は変わりますが、軽トラックベースのものから貨物車をベースにしたものまで様々あります。

こちらも火葬の後は、個別火葬業者と同様に遺骨の扱いのフォローが充実している業者が多いです。

しかし、便利な一方で、訪問火葬に関しては、新しい方法で法規制がされていなかったことから、以前は悪徳業者の参入やトラブルも多くありました。そういった中で、2007年には「日本ペット訪問火葬協会」が設立されています。悪徳業者に引っかからないよう利用の際にはしっかりと事前準備しておきましょう。

日本ペット訪問火葬協会
http://www.pvcca.jp/

◇ 「一任個別火葬」

× 火葬への立会い
× お骨上げ
 返骨

一任個別火葬は、火葬を業者に任せてしまうプランです。個別での火葬をおこなってもらえますが、火葬の際には立ち会うことができません。

火葬後は業者が代わりに骨壷に遺骨を納め、家族に返骨するか、要望があれば納骨や埋葬までフォローをしてくれるようです。返骨までは業者が行なうため、骨上げには立ち会うことができない場合が多いようです。

メリットとしては、時間の拘束が少なく、立会い個別火葬より安価になることが多いようです。

ちなみに、火葬自体は業者に任せますが、愛用品と一緒に火葬してもらうことなどは可能ですし、遺骨を埋葬する場合には立ち会うことが可能となっています。

◇ 「合同火葬」

× 火葬への立会い
× お骨上げ
× 返骨

合同火葬とは、他のペットと共に葬儀を行い、合同で火葬を行なう方法です。火葬の立会いやお骨上げはできず、火葬後の遺骨に関しても、合同で埋葬や納骨されることが多いため、返骨もできない場合が多いです。

料金に関しては、この4種類の火葬方法の中では最も安価になります。ただし、ほぼ全てを業者へ依頼する形となるため、信頼できる業者を選択する事が大事です。

どこに埋葬や納骨がされるのかやその場所にお参りができるのかなど気になることは全て事前に確認しておきましょう。

+α 信頼できる業者選びが大切

4種類の火葬方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ペットの葬儀に関しては、決められた形があるわけではないので、どういった形で大切なペットを見送ってあげたいかを十分考えた上で、葬儀の方法も選ぶのが良いと思います。

大切なお別れの儀式なので、業者に依頼する場合は、細かい点もあらかじめ聞いておき、信頼できる業者に依頼することをお勧めします。

5. 火葬後のペット供養とメモリアルグッズとは

葬儀が終わった後には、ペット供養を考えることになると思います。IQUOでは、ペット供養の様々な形や自宅供養のためのメモリアルグッズに関しても紹介しているので、気になる人はこちらも参考にしてみてはいかがでしょうか。




6. いつかくる日のために

ペットを失うことは家族の一員を失うようなもので、非常につらく悲しいことであるために、考えたくも無いことかもしれません。

しかし、別れはいつか必ずやってきます。そして、その最後の別れだからこそ、してやれることや勤めなければならない役目が飼い主や家族にはあります。

棺の準備も葬儀の準備も葬儀もひとつひとつが最後のお別れと見送りです。つらく悲しいことかもしれませんが、こういった準備をおこないながらペットの死を受け入れ、最後には、大切な家族が安心して眠れるよう、ありがとうという感謝の気持ちを込めて見送ってあげる事が大切です。

そのために、今ペットが元気でいるうちにたくさんの愛情を注いであげると同時に、「いつか」のこともしっかりと考えて準備してあげると良いでしょう。

さいごまで読んでいただきありがとうございます。
お時間に余裕がありましたら、2,3分で終わる簡単なアンケートにご協力いただけると嬉しいです。
今後、取り上げる記事などの参考にさせていただきます。

ペットの供養に関する簡単なアンケート

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