家族や親が死んだ場合にやらなければいけないことはたくさんあります。以前、亡くなった直後から葬儀屋に連絡する前までのふるまいや注意点については記事でまとめましたが、今回はその後、通夜からお葬式・告別式、火葬など葬儀終了までの流れだけをおおまかにまとめました。

1. 損をしない・トラブルにならないために

「葬儀社に全てまかせよう」という人も多いとは思いますが、葬儀終了までの流れの中にはあまり馴染みのないものもいくつかあります。葬儀プランを決める際にそういったことを全く知らないと、後悔や金銭的なトラブルの原因にもなりかねないので知っておくのがおすすめです。

今回は詳細というよりはおおまかな流れを紹介していくので、記事を読んでイメージしてもらえれば嬉しいです。詳しい話はすでに別の記事で紹介していることもあるので、知りたい人はそちらを参考にしてください。

亡くなった直後から葬儀屋に連絡する前までのふるまいに関する記事はこちらから

家族や親が死んだら – 病院から葬儀前までの流れと注意すべき点

2. 葬儀一連のながれ15ステップ

葬儀社に連絡~納棺と死亡届提出まで

1. 寺院への依頼・枕経

枕経(まくらきょう)とは、自宅で亡くなって遺体を安置する際、枕もとであげてもらうお経のことをいいます。故人の霊が途中で迷うことなく極楽浄土へ向かえるよう願う内容になっています。

以前は、葬式も亡くなった人の家で行うことが多かったため枕経を見かけることもありましたが、最近では病院で息を引き取るケースが多くなり、枕経も省略されるようになってきました。

ちなみに枕経は菩提寺(檀家契約が結ばれている寺のこと)に依頼を行います。菩提寺がない場合や遠方できてもらえない場合には、葬儀社にお寺を紹介してもらうこともできます。

2. 葬儀社との打ち合わせ

ここで葬儀プランを色々と決めていくようです。

3. 葬儀の連絡

親族や故人の友人・知人に亡くなったことに併せて葬儀の連絡をします。

4. 湯灌(ゆかん)

湯灌(ゆかん)とは、最後のお風呂。安置してある遺体の身体や髪を綺麗に洗い、ひげを剃ったり死化粧を施したり死装束に着替えさせるなどの身支度を行う儀式になります。湯灌(ゆかん)自体は、衛生的な理由と宗教的な理由で行われてきた儀式といえます。

本来は湯灌師(ゆかんし)という専門の人が故人を浴槽に入浴させますが、最近では入浴ではなく清拭(体を拭いてあげること)だけ行う場合も多くなっているようです。

葬儀プランを決める際には、湯灌(ゆかん)をどうするかと聞かれることもあるので、言葉だけは覚えておくと良いかもしれません。

5. 納棺

納棺は、故人を棺へ納める儀式です。生きていた時に愛用していた思い出の品などもこのタイミングで入れてあげることになります。

本来は納棺も遺族で行うことが多かったのですが、最近は葬儀社や納棺師(のうかんし)と呼ばれる専門の人に行ってもらうのが一般的になっています。

納棺後、通夜や葬儀・告別式までの間は、家族だけで故人と過ごす大切な時間になります。

6. 死亡届けの提出

葬儀前には、死亡届や火葬許可証の提出も行なう必要があります。

故人が亡くなった際に医師などから死体検案書(死亡診断書)が交付されます。その死体検案書(死亡診断書)の左側が死亡届になっており一枚の用紙になっています。死亡届は親族などで書く必要があります。

死亡届と火葬許可証の詳しい書きかたや提出方法・提出期限は以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

死亡届と埋火葬許可証の書き方から提出まで|死亡後の手続き1




通夜と葬式(告別式)の準備と当日のふるまい

余談ですが葬式と葬儀のワードが混在している理由は、一応こんな違いがあるからです。

1分で分かる、葬儀・葬式・告別式の違い|葬儀のちょっとした疑問を解消

7. 式場の設営

葬儀社が要望に応じた葬儀会場の設営を行ないます。

8. 通夜の準備・受付

通夜の準備では、供花や供物の確認や焼香などの作法について葬儀社と確認を行なったりします。

供花・供物というのは、故人の祭壇に供えるための花や果物などのことです。供花・供物は断るケースも多いですが、その場合には死亡を知らせる際や葬儀の連絡をする際にその旨を伝えるようにしましょう。

9. 通夜

元々、通夜は近親者が故人の遺体とともに過ごすような時間でしたが、最近では通夜に弔問客を招くことも増えてきました。そのため通夜の日は色々と忙しくなるので心積もりをしておくと良いです。

10. 葬式(告別式)の準備・受付

通夜が終わったらすぐに葬儀の準備をしなければいけません。こちらでも供花や供物の確認や焼香などの作法、席次の確認など、葬儀社と細かい打ち合わせをしながら準備を進めることになります。葬儀後に火葬場への移動がある場合には、関係が深かった人へ火葬場への同行依頼をおこなったり同行する人数なども確認が必要です。

またそういった葬式の準備に併せて自分の服装や持ち物の準備も必要になってきます。

初めてでも安心、数珠・香典袋・袱紗(ふくさ)の選びかたとおすすめ|葬儀や法事で必要な持ち物

11. 葬式(告別式)

葬式・告別式当日は、一般的には10時~11時頃から始まって式自体は1時間程度で終了し、その後に火葬や初七日法要、精進落としを行い、15時~16時頃に解散となります。このタイムスケジュールは火葬場の稼働時間(10時~15時が一般的)に合わせて組まれていることが多いです。

場合によっては、告別式の中や告別式の直後に初七日法要を行ってしまう場合もあります。




出棺から火葬~葬儀終了まで

12. 出棺

出棺は、故人の棺を家(葬儀会場)から送り出すことです。祭壇に飾っていた花を切って棺の中に入れたり(別れ花)といった案内もここで行ないます。火葬場では故人の顔を見れない場合も多いので出棺時が最期の対面の時間になることを覚えておきましょう。

棺は遺体の足を先にして運び出します。その後ろに喪主が位牌を持って続き、その他の遺族が遺影を持ってさらに後ろに続きます。

最近、霊柩車を見ない理由
言われてみると、最近霊柩車を見ていないと気づきませんか?じつは、昔あった派手な装飾の霊柩車(宮型霊柩車)は、公営斎場から乗り入れを禁止されていたり、条例レベルで火葬場への入場が禁止されていることも。

禁止されている理由は、わかりやすい霊柩車の見た目は不吉で良くないイメージだからだそうです。そういった流れと葬儀にかける費用の減少によって昔見た霊柩車は今ではほとんど見なくなりました。

13. 火葬・骨上げ

火葬場では最期のお別れを行ないます。火葬には1、2時間ほどかかるのが一般的です。火葬の後には、骨上げを行ないます。骨上げというのは、遺骨を骨壺に納める儀式で、喪主から故人と縁の深かった順に足の骨から広い骨壺に納めていくような流れになります。

何度も言いますが、火葬には火葬許可証が必要です。この手続きは死亡届を提出する際に併せて行なうと二度手間にならないのでおすすめです。詳しくは以下の記事からどうぞ。

死亡届と埋火葬許可証の書き方から提出まで|死亡後の手続き1

14. 初七日法要

初七日法要とは、最初の7日目に行われる法要のこと。7日というのは命日も含めた7日目です。しかし、最近では葬儀当日に初七日法要(繰り上げ法要)を行なってしまうのが一般的になりました。葬儀のまたすぐ後に日をあらためてというのは、予定を調整しづらいことも多いため、そういった事情から葬儀の当日に行うようになりました。告別式の中や告別式の直後に初七日法要を行う場合や、火葬中に初七日法要をおこなうケースもあります。

15. 精進落とし

精進落としとは、法要の後にふるまう食事のことを言います。本来の精進落としは、四十九日の忌明けとともに区切りをつけ日常の生活(料理)に戻す意味を持ったものでしたが、現在では初七日法要の後にもてなしとして振る舞われるようなものになっています。

精進落としは、火葬場から戻り初七日法要後に行なわれることが多いですが、葬式・告別式と併せて初七日法要を行なった場合には、火葬を待っている間に行なわれることもあります。

以上で、ひととおりの葬儀が終了となります。今回は一般的な流れに沿って紹介したので、細かい部分で省略されることや手順が増えることはあると思います。

3. 面倒だけど考えておかなければならないこともたくさん

いかがだったでしょうか。故人を望んだ形で手厚く見送ってあげるために知っておきたい一連の流れを紹介しました。

全て丸投げで何も知らない・考えない、というわけにはいかなそうだといったイメージを持っておいていただければ良いと思います。知らないことばかりだと、葬儀社との打ち合わせ時に「普通はやってます」などと言われ、シンプルな葬儀にしたかったのに結果的にフルオプションの盛大な葬儀になってしまうこともあるかもしれません。

せめて今回聞いたことのなかったものについては、必要かどうか話し合ったり検討しておくことをおすすめします。

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